povo2.0の「#ギガ活」終了:ユーザーに衝撃と新たな選択肢の提供
povo2.0の「#ギガ活」は、日常のさまざまなお店やサービスの利用でデータ容量(ギガ)がたまる便利なサービスとして、多くのユーザーに支持されてきました。しかし、2024年6月30日をもって、au PAY支払いでの特典提供が終了することが発表され、povoユーザーに大きな衝撃を与えました。
「#ギガ活」終了後の選択肢
「#ギガ活」終了後も、クレジットカード(Nudge)や公衆Wi-Fi接続(タウンWiFi by GMO)の利用でデータがもらえるほか、povo2.0のデータとさまざまなサービスや商品をセットで提供する「+αトッピング」があります。これにより、コンビニやファストフードなどのお得なセットが購入できるとされています。しかし、これはpovoが通信収入の面で期待通りの利益を上げられていないことの表れとも考えられます。
KDDIとしては、トッピングを購入してもらい通信収入を上げたい意向がありますが、多くのユーザーが「#ギガ活」を利用しており、トッピングの購入に結びついていないため、今回の変更に至ったのでしょう。
ユーザーの反発と今後の動向
今回の発表を受けて、ユーザーからは「au PAYは使わなくなる」「楽天モバイルへ移行する」といった反発の声が多く聞かれます。筆者自身も、これまでPayPayをメインに利用していましたが、「#ギガ活」開始以来、au PAYでの支払いに切り替えていました。
au PAYは支払い対応店舗が少なく、PayPayと比べると利便性が劣るため、使い勝手に不満がありましたが、「#ギガ活」のためにメインで利用してきました。コンビニの「ローソン」や「ローソン100」、スーパーの「オーケー」、薬局の「ウェルシア」、そして飲食店では「すき家」や「松屋」、「日高屋」「かっぱ寿司」「はま寿司」などで決済をしてきました。「#ギガ活」があるからこそ、わざわざお店に足を運び、au PAYを使っていたのです。やがて、PayPayとau PAYを併用するのも面倒になり、今ではau PAY一本で支払いをするようになりました。PayPayからシェアを奪うことができたのは、povoの功績と言えるでしょう。
しかし、ギガ活の特典終了となると、これらのお店に足を運ぶ理由がなくなります。そしてau PAYを利用する理由もなくなりますので、これを機に再びPayPayに戻ろうと考えています。ギガ活が無ければ、au PAYを使う理由も無いのです。こういった私のようなユーザーをつなぎとめるためにも、KDDIには何か一手が欲しいところです。
ローソン買収とau PAYの未来
最近、KDDIがローソンを買収したニュースも話題になりましたが、au PAYとコンビニのシナジーを考えると、「#ギガ活」終了のタイミングは早すぎたのではないかと考えています。QRコード決済のシェア比率を見ると、2024年4月現在(ケータイWatch調べ)、PayPayが49.5%、楽天ペイが25.9%、D払いが21.2%、au PAYが11.3%となっており、au PAYはシェア最下位です。
いわゆる経済圏争い(ドコモ経済圏・au経済圏・ソフトバンク経済圏・楽天経済圏)を考えた時に、PayPay(ソフトバンク)には「Yahoo!ショッピング」、楽天ペイ(楽天)には「楽天市場」、d払い(ドコモ)には「Amazon」と、各社が強力なECサイトをバックに持っています。一方、au経済圏の「au PAYマーケット」は存在感も薄く、知らない人も多いのが現状です。
「#ギガ活」は、遅れを取るau経済圏を拡大するための他社に比べ、唯一進んでいる先行施策だったと思います。ギガ活でローソンにお客を送客し、au PAYユーザーを拡大していく、更にローソンとのコラボで、通信料収入に繋がる新しいトッピングを提供していく、そしてユーザーを育てていく、それが重要だったのではないかと思います。それをふまえると、ローソン買収の効果を最大限に引き上げるためにも、もうしばらくギガ活を続けた方が良かったのではないでしょうか?
「#ギガ活」終了により、このシェア比率がさらに低下する可能性が高く、ギガ活に代わる新たなサービスを展開しない限り、au PAYは経済圏争いからまた一歩後退すると考えています。
終わりと新たな始まり
KDDIにはauやUQモバイルというきちんと収入と利益を生む2つのブランドがあるので、基本料0円のpovoの扱いは、非常に難しいかじ取りであるのは間違いないと思います。「#ギガ活」のau PAY支払い特典終了は、正直povoというビジネスモデルの終焉に向かう施策ではないかと思っています。もし今後もpovoを続けていくのであれば、これは一つの時代の終わりを告げると同時に、新しいサービスの提供に繋がるチャンスでもあります。ユーザーからは「povoを使う意味がなくなった」「au PAYはもう使わない」「楽天モバイルへ移行しよう」といった声も上がっていますが、新たな楽しみに繋がるような新しいサービスをpovoが提供し、既存ユーザーが離れていかないような施策に期待したいと思います。
最後になりますが、私の考えるpovoの理想的なビジネスモデルは、「基本料0円を売りに、携帯他社よりpovoにユーザーを獲得する」→「ギガ活でau PAYを促進し、ユーザーを育てていく」→「ローソンにユーザーを送客し、通信料収入を得られる新しいトッピングを投入していく」→「KDDIに満足していただき、au本体やUQモバイルにpovoユーザーを送客する」といったところでしょうか。
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